境界人たち
アルファポリス 第9回ホラー・ミステリー小説大賞(2026/3/1~3/31) 参加作品 終電を逃した夜、男が降り立ったのは見知らぬ「きさらぎ」駅。鳴り止まない鈴、片足のない駅員、暗いトンネル――断片の記憶だけを残して“帰って”きたはずだった。だが日常は僅かに噛み合わない。階段の配置が変わり、秒針が逆に跳ね、数秒の記憶が抜け落ちる。鏡の中の自分が、一瞬だけ別人の目でこちらを見る。誰にも信じられないズレを記録し続ける彼が辿り着いたのは、異界の生還者が集う秘密の場「還り人の会」。管理人・伊佐奈は、彼らを「境界人」と呼び、世界の歪みを正す「調整」の役目を語る。救いは見つかった――はずなのに。夜の「調整」はどこか不自然で、仲間たちの目は人間の温度を欠いていく。そして届く招集。「特別な儀式を行います」場所は、廃線となった地下鉄ホーム。鈴の音が、また近づく。チリン、チリン。境界が開くのは、世界か。それとも――自分か。 現在連載中… アルファポリス で読む
