時代小説
- 花嫁御寮 ―江戸の妻たちの陰影―
アルファポリス 第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞 名家に嫁いだ若き妻が、夫の失踪をきっかけに、江戸の奥向きに潜む権力、謀略、女たちの思惑に巻き込まれてゆく――。舞台は江戸中期。表には見えぬ女の戦(いくさ)が、美しく、そして静かに燃え広がる。結城澪は、武家の「御寮人様」として嫁いだ先で、愛と誇りのはざまで揺れることになる。失踪した夫・宗真が追っていたのは、幕府中枢を揺るがす不正金の記録。やがて、志を同じくする同心・坂東伊織、かつて宗真の婚約者だった篠原志乃らとの交錯の中で、澪は『妻』から『女』へと目覚めてゆく。男たちの義、女たちの誇り、名家のしがらみの中で、澪が最後に選んだのは――『名を捨てて生きること』。これは、名もなき光の中で、真実を守り抜いたひと組の夫婦の物語。静謐な筆致で描く、江戸奥向きの愛と覚悟の長編時代小説。全二十話、読み終えた先に見えるのは、声高でない確かな「生」の姿。 全20話+番外編5話【38,154文字】 アルファポリス で読む