
恋しい人
都会の夜に似合う、洒落た哀愁バラード「恋しい人」。強がれる大人ほど、未練は静かに深くなる
——そんな“きれいな痛み”を歌にしました。
窓に滲んだ街の灯り
指でなぞる 帰らない影
「元気でいるわ」それだけ…
嘘が少し 上手くなったわ
グラスの氷 溶けるたびに
思い出だけが 尖ってゆく…
会えない理由は もう聞かない
綺麗な嘘なら 飾っておく
大人になった はずなのに
ふいに崩れる 私がいるの
恋しい人…
今どこで笑っているの
私の夜だけ 置き去りにして
「抱きしめて欲しい」たった一言が
喉でほどけて 涙になる
恋しい人…
戻れないと知っても
心はまだ あなたを探すの
写真の中のやさしい目に
「おかえり」って 言わせたくなる
季節が変わり 髪も短く切って
強くなったと 言い聞かせるの
駅のホームで 風が鳴るから
さよならよりも あなたの香り
幸せだった それだけで
苦しささえ 守ってしまう
忘れる練習を いくらしても
想いはいつも あなたへ戻る
恋しい人…
ワインの渋みみたいに
遅れて沁みて 抜けていかない
明日を選ぶ 大人の顔で
未練をそっと ハイヒールに隠す
恋しい人…
もう戻れないと分かって
それでも夜は あなたを連れてくる
雨上がりのアスファルト
甘くない匂い 好きになったわ
「ひとりで平気」 その響きが
今夜は妙に ドラマチック
静かなビートで 心をほどく
「さよなら」じゃない…
「またね」も言えず
恋しい人…
ネオンの端で揺れてる
手放したはずの影が ほどけない
さよならよりも 静かな余韻で
私の時間を きれいに奪う
恋しい人…
強さの中にある弱さを
誰にも見せず 抱いて眠る
恋しい人——
あなたを想うほど 私は生きてる
intro start, Japanese retro kayokyoku ballad with enka nuance, 74 BPM, minor key, smoky midnight lounge mood, warm strings and piano arpeggios, soft brush drums and upright bass, occasional muted trumpet/sax fills, gentle tremolo electric guitar, analog tape saturation, plate reverb, intimate close-mic mix, female vocal: mature elegant warm mid-low register, controlled breathiness, smooth legato, clear Japanese diction, slow shimmer vibrato, restrained emotion that slightly cracks on long notes, cinematic but classy
大人になった私は、痛みの扱い方を知っている。涙を見せずに笑う術も、曖昧な返事を受け流す余裕も。けれど夜だけは、きちんと正直だ。街の灯りがガラスに滲むと、あなたの気配が不意に濃くなる。追いかけない。縋らない。そう決めたのに、心はきれいに乱れる。未練はみっともないから、香水と同じ場所に隠しておく。誰にも気づかれない程度に、そっと残るくらいがちょうどいい。それでも、ふとした沈黙にあなたが入り込む瞬間がある。強がりのドレスの内側で、私はまだ柔らかい。消せない想いを、センスに変えて歩くしかない。